2022年末に京都府城陽市にある城陽酒造の直売所を訪問しました。一昨年こちらのお酒を楽しむイベントに参加して以来、その魅力に惹かれたお薦めの酒蔵です。軟水で仕込んだ繊細でありながらしっかりとした味わいが特徴で、特に近年始められた兵庫県産の愛山は毎年飲みたくなる逸品です。今回は、その愛山に魅了された友達と一緒に伺ってまいりました。
2021年のインターナショナルwineチャレンジの酒部門の純米酒カテゴリーにおいて、「城陽特別純米酒60」が金賞の栄誉に輝かれました。また、2022年もフラグシップである美感遊創がインターナショナルsakeチャレンジのプレミアム部門で金賞を受賞し、その活躍から目が離せません。京都伏見の町並みは何といっても魅力的なのですが、それとまた違った魅力が溢れる酒蔵なのです。通常日曜日は休業なのですが、12月はご営業とのこと。JR山城青谷駅から徒歩3分と便利な立地。城陽インターにも近く、ゴルフの帰りに車で気軽に立ち寄ってお酒を買うこともできます。
直売所の魅力は、商品ラインアップが多いほか、ここでしか買えない限定酒の「量り売り」があること。コロナ前は量り売りカウンターで角打ちができたのですが、残念ながら現在は自粛されています。かつて使われていた上槽用の木製の槽がカウンターとして活用されているのも酒蔵ならではの趣向があります。そんなカウンターにて、2種類の量り売りのお酒を購入させていただきました。
量り売りの一つ目は、「山背諸白(やましろもろはく)」。五百万石100%、精米歩合65%の活性にごり酒。色合いはしぼりたての生乳のような溌剌としたピュアホワイト。出来立ての生クリームのような口当たりが優しく、生酒らしい微発泡の刺激が爽やかで、味わいも苺のような優しい酸味と甘味が調和、まったりと口内を包みます。活性にごり酒らしい長い余韻がとても心地よい。新酒の時期にしか体験できない、酒蔵直売の味わいを楽しめる人気の酒です。
二つ目は、五百万石純米生原酒。こちらは上槽してあり、そのグリーンがかったプラチナのような透明な色合いはまさにしぼりたて。穏やかな香り、生酒らしいトロリとした口当たりと穏やかな甘さが心地よい。飲みやすいですが、原酒ですのでアルコール度数は15%と少し高めで、おでんや魚介系の鍋料理でじっくりと楽しみたいです。
お酒以外にも販売されているものがありますが、中でもよく売れるものは酒粕です。ひっきりなしに来店されるお客さんのほとんどが酒粕をお求めになります。中には何袋も購入される方もおられ、間違いなく旨いはず。純米吟醸の酒粕を購入し、早速粕汁を作りました。城陽酒造の酒粕は、雑味を出さないように丁寧に搾られるため比較的柔らかく、少し水をかけて電子レンジで加熱するだけでクリーム状に練り上げることができ、簡単に濃厚な粕汁を作ることができます。少し濃いめに仕上げるのが私の好みです。
粕汁は寒い季節の冷え切った体を芯からポカポカに温めてくれます。タンパク質やミネラル、ビタミンが豊富で、酒粕を食べる習慣があると抵抗力がつき、風邪をひきにくくなるとも言います。以前酒専門店鍵や様のサイトでご紹介したレシピがございますので、リンクを添付します。路地奥おか田の大将に作成頂いたレシピです。シンプルで美味しい粕汁を是非作ってみてください。
【鮭のあったか粕汁】~神の恵みの新酒を楽しむ~ | 酒専門店 鍵や (sake-kagiya.com)
まだまだ寒い季節が続いていますが、酒蔵では本格的な酒造りが続いています。季節が進むに従って良い酒が搾られ、その酒粕の味わいも益々美味しくなっていきます。純米酒、本醸造、純米大吟醸・・・。五百万石、山田錦、愛山・・・。種類による酒粕の味わいの違いを楽しんでみるもの楽しいでしょう。