広島市「重富」さんに伺いました

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●ekie店

11時過ぎに広島につき、重富ekie店に直行です。ビールスタンドの前は立ち飲みスペースのようになっており、さすがに午前中ですのでガラガラです。夕方5時から営業の本店に行く前に、こちらで一足先にシャープ注ぎとミルコを体験させて頂きました。

カウンターの中央には噂のスイングカランがさりげなくたたずんでいます。スイングカランの特徴はカランの抽出口の大きさを微妙にコントロールできること。それによってできるきめ細やかな泡がその魅力です。こちらのカランは重富本店に残っていた貴重なスイングカランのレプリカとのこと。いまや使用されている場所も限られる希少なスイングカランですが、ビールの多様性の新たな広がりとして改めて注目されています。

●シャープ注ぎ

「シャープな味わい」のシャープ注ぎは、通常のサーバーで泡を立てないように静かに注ぎ、最後にスイングカランで搾った泡を乗せたものです。実際2回注ぐものなのですが、1度目の抽出時に全く泡を立てないため、1度注ぎよりガスの分離が少なく、シャープな口当たりとなるのです。真夏の太陽にさらされた後に、スキッとしたい時はこれが一番でしょう。

一般的な居酒屋さんで提供される生ビールとよく似たた外観です。
但、泡はスイングカランを搾って出されるクリーミーなもの。
一口飲んで出来上がる美しい泡の跡はグラスの洗浄が行き届いている証拠です。
泡の跡が陶芸の釉薬のように美しい柄を描き出します。
レーシングの輪っかは、波打ち際の砂模様みたいです。


●ミルコ

スイングカランの真骨頂の泡を生かした一杯「ミルコ」。泡を生かした、というよりも「泡だけ」のビールです。「生ビール、泡なしで!」といった注文をされる人にとっては言語道断の一杯ですが、なんともクリーミーな泡が口当たり柔らかくマイルドでまるで生乳を飲んでいるようなミルキーな味わいが魅力です。本店では提供されておらず、ここだけの一杯です。通常ビールの半額ですので、是非一度お試し下さい。

泡というよりエスプーマーの印象です。だんだんと泡がビールに戻っていきますので、撮影に時間をかけず、早く味わいましょう。
泡はとてもみずみずしく、潤っています。美味しさの秘密でしょうか。
泡なのにビールのように自然に飲めるのが不思議です。

●本店

17時から営業との事で、広島駅より徒歩で向かいます。駅南口を南に向かって歩きますが、川があり、まっすぐの一本道ではありませんのでグーグルマップを見ながら向かいました。20分ぐらいで到着しますが、すでに数名並んでおられました。店内にはマスターの重富寛さんがいらっしゃり、年期の入った木製ワゴンサーバーで手慣れた様子でビールを提供されます。「この方が注ぐから美味しい」といわれる名物マスターで、おのずと期待が膨らみます。立ち飲みテーブルが5卓あり、アクリル板で感染症対策はしっかり。お店のシステムとしては、在店時間は20分で、砂時計がセットされ、皆さん大体2杯楽しむような感じです。こちらでは1度注ぎと3度注ぎを頂きました。マスターはビールを提供する折にその特徴や楽しみ方をご説明されるのですが、注文がひっきりなしに入るので、ずーっとしゃべってらっしゃるのが印象深いです。


●一度注ぎ

一度注ぎは、文字どおりカランを空けるのは1度だけ。泡を立てないように一気にカランを開いてビールを注ぎ、最後にカランを搾ってふんわりした泡を乗せます。そのため、シャープ注ぎほどではありませんが、ビールにはしっかりと炭酸ガスが残っており、喉越しの刺激が心地良い一杯になります。

風呂上がりの一杯のように腰に手を当てて飲み、喉の渇きを一気に潤します。
新雪のようなソフトな印象の泡。カランを搾りながら出す泡は繊細です。


●三度注ぎ

こんもりと盛り上がった泡、一口飲むと漫画のように口の周りに泡の髭が出来上がります。三度注ぎは一般的に「美味しい注ぎ方」として推奨される方法です。一回目は思いっきり泡を立てて注ぎ、ガスを飛ばします。少し時間をおき、その泡がいったん静まったら、泡を持ちあげるように静かにビールを注ぎます。さらに時間をおいて泡を静め、再度ビールを注ぎ、しっかりと固まった泡を持ちあげます。この方法はご家庭で缶ビールなどでも行うことができますので、お試しいただければと思います。

ガスが適度に分離し、口当たりまろやかな味わいを楽しめます。
しっかりと固まって爪楊枝が建てられるほどの泡

残念ながら2度注ぎは飲めませんでしたが、念願の重富さんを堪能することができました。たかがビール、されどビール、そんな気持ちになりすね。つまみ無しで飲みましたが、それぞれの味わいにあったつまみを合わせると更に楽しめるのではと思います。ビールの代わりに新ジャンルやチューハイ、ハイボールをお飲みになる方が増えましたが、ビールにしか味わえない楽しみがあることを重富さんに教えていただいた、そんな気がします。

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